子どもの算数の基礎力アップには、公文とそろばん、どちらがいいの…?
この記事では、そんな疑問を払しょくします!
結論から言うと、目的によってどちらが良いかは異なります。
公文が役立つのは、受験や学校生活など、学業に直結する計算力が得られる点です。
そろばんが役立つのは、計算力以外に受験で役立つ想像力も身につく点です。
それでは、公文とそろばん、それぞれがそれぞれに勝っている点はどこか、以下で詳しく見ていきましょう!
公文で得られる計算力とは
公文とそろばん、どちらでも計算力はつきますが、先にまとめると、公文に向いているのは以下のようなお子さんです。
- 学校の先取り学習をしたい
- 学校のテストで点数を上げたい
- プリント学習で紙のテストに慣れておきたい
公文で計算力をアップさせるメリット
公文は、子どもたちに算数の基礎力アップのための勉強をさせてくれることで有名です。子どもの年齢や学年に応じて範囲を決めるのではなく、一人ひとりの学力や地頭に応じてどんどん先へ進める無学年式が特徴です。
つまり、ほとんどの場合は計算の先取りとなり、学校より早いペースで先に進むことになります。
また、学校と同じく紙を使った学習方法なので、書く力が養われ、学校と同じ環境で計算できるようになります。
- 子どもの年齢・学年に合わせた授業ではなく、子ども一人ひとりの学習ペースに合わせて学ぶことができる
- 早く先に進みたいとうずうずしている生徒にとっては、とても達成感のある授業になる
- 計算力が付くだけでなく、先に行きたいという気持ちから高い集中力を養える
- 無理に先に行かなくても、自分のペースで進んで良いと言われているので気楽
- 計算が苦手な子も、先生に褒められて徐々に伸びていく
- 最初は成果が目に見えて現れずやきもきするかもしれないが、継続することできちんと計算できるようになる
総合的に見るならば、計算力の中でも、特に学校教育に役立つ計算力を養いたい場合に公文の方がそろばんより上と言えます。
公文で計算力をアップさせるデメリット
現役塾講師から見ると、公文で得た効果は一時的である場合もあることを頭に入れておいた方が無難かなと思います。公文をやってきた生徒が私が在籍している塾に来ると、皆計算において自信を持っています。
ところが、実際に教えてみると、文章問題や図形問題など、計算領域以外にめっぽう弱いなんてことがあります。もちろん、公文でも多少なりとも計算以外の問題はやっているのでしょうけれど、先生が教える時間があまりに少なく、自分で解く時間がほとんどであるためひたすら計算力のみに特化している印象があります。
よって、公文は子どもに自信をつけ、計算が得意なんだと思わせるには良いですが、その効果が限定的になるため中学受験や高校受験をするタイミングでは別の塾探しをすることをおすすめしたいです。
また、個別指導塾で授業を行っている私にとって、公文はどのように子どもを見ているのだろうと疑問がわきます。小学生は2人同時に教えることさえ至難の業なのに、それをひとりの先生が何十人も見るなんて不可能ではと考えます。それを可能にするとすれば、生徒に問題を任せきりにし、答え合わせ時にできない問題があればプリントのレベルを下げて解説はしないことです。
- 文章問題や図形問題など、計算問題以外にめっぽう弱い
- 論理的に考えるという数学で大事な能力が養われない
- ひとりでサクサク計算問題を解ける子でないと、先に進めない
基本的にひとりでサクサク計算問題を解ける子なら先にも進めるでしょうけれど、計算の仕方を無学年式のクラスで全員に教えることは無理でしょう。よって、公文に行くならある程度地頭がないと同じレベルでずっと計算を解くことになりかねないように思います。
そろばんで得られる計算力とは
そろばんも公文と同様に計算力が付きますが、そろばんの方が向いているのは以下のようなお子さんです。
- 日常生活で役立つ計算力を身につけたい
- 生涯に渡って使える計算力が欲しい
- 資格が欲しい
- 暗算力を強化したい
- 想像力を身につけて算数が得意になりたい
そろばんで計算力をアップさせるメリット
そろばんでは学校教育の先取りはできませんが、純粋な計算力の向上に重きを置いているため生涯に渡って役に立ちます。そろばんを長く習っていた方ならわかると思いますが、頭の中で計算をする際に指をそろばんをはじくように動かすことはありませんか?最終的には、そろばんなしでも暗算ができるようになる珠算式暗算が使えるようになるのはそろばんの大きな魅力です。
また、そろばんには検定試験があるため、定期的に受けることで生徒はモチベーションを維持できます。上級まで取得すれば、履歴書に書けるなどメリットがあります。
公文とそろばんのわかりやすい差は、「暗算ができるようになるかどうか」でしょう。そろばんは暗算ができるようになるので、中学校へ行っても高校へ行っても使えるスキルになります。計算ができるようになるだけでなく、頭の回転が速くなる効果にも期待できます。
また、
そろばんで計算力をアップさせるデメリット
ただし、そろばんは公文のように学校の先取りを目的としないため、暗算力を培うことのみに集中してしまいます。よって、計算が得意になっても学校のテストに反映されるかどうかはまた別の話です。直接的に学校の成績に影響しないため、生涯学習という長期的スパンで見ることが重要です。
また、そろばん教室に通っている生徒が私が在籍している塾に来て算数や数学を学ぶと、暗算できてしまうため途中式を書かない現象が非常に多く発生します。答えさえ合っていれば丸にはなりますが、学校の先生には「途中式も書くこと」と強く言われるのが普通です。例えばこれを破り、定期テストの提出物で一切途中式を書かないまま提出してしまうと、答えだけを映したと判断され、内申が落ちてしまいます。いくらテストの点数が良くても成績が上がらない原因になりかねないので、中学校に上がったら、計算ができるが故の面倒くささがあるでしょう。
そろばんができる生徒からしたら、「答えがわかっているのにどうして途中式を書かなければいけないの?」と常に疑問に思うところですから、ここからは中学でのルールを新しく教える必要があります。
そろばんで想像力が身につき、算数が得意になる!
じつは、そろばんでは算数に必要な想像力も身につけられます。
こちらの本でも、弟さんはそろばんを始めてから「思い浮かべる力」が急激に伸びましたと書いてあります。(弟さんは、算数オリンピックで数回メダルをゲットしている算数男子で、開成に行っているお兄さんよりも段違いに算数ができるそうです)
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公文とそろばんの併用はダメ?
計算力を高める公文とそろばん、両方を併用することはおすすめできません。なぜなら、答えを求めるまでのプロセスがそれぞれで異なるからです。
公文では、筆算によって計算の答えを導き出す練習をします。それに対し、そろばんでは珠をはじいてその配置で答えを出します。同じ問題を出題されたとき、答えにたどり着くまでの方法が異なるのに、同じものとしてとらえてしまうのはリスキーです。
子どもの吸収力は高いですが、それであっても先に習った方と違う解き方を提示されれば混乱してしまいます。先に公文を習っていれば、いきなり答えにたどり着くことを優先するそろばんの暗算力は付きにくくなります。一方、先にそろばんを習っていれば、頭の中で既に出ている答えに対し、筆算という面倒な計算方法を取り入れなければなりません。どちらにしても良い効果は生まれにくいため、習うならどちらかひとつに絞りましょう。
この後で詳しく書きますが、併用するなら他の学習塾の国語をおすすめします。そうすることで、文章問題への対策にもなるからです。
計算力のみに特化した習い事は推奨できるのか
公文もそろばんも、どちらもおすすめできます。これらはどちらも計算力の向上のみに特化していますよね。そのため、図形や文章問題には太刀打ちできない生徒が多いと感じます。とはいえ、計算ミスが少なくなったり、早く問題を解けるようになるなど、メリットはたくさんあります。
特に難関校の問題ほど、計算に時間をかけている余裕はありません。
テストで計算領域をあっという間に解いてしまえるようになったら、余った時間で図形や文章問題に取り組めますからね。
ネックとなる図形と文章問題は、別の学習塾で教えてもらうのがベターでしょう。図形や空間把握問題は生まれながら得意不得意がはっきり分かれているものですから、オンライン授業が可能でタブレットを扱える塾がおすすめです。
どうしても紙面上では図形問題の解説に限界がありますから、タブレットで実際に自分で図形を動かしてどうなっているか感覚をつかむのです。
文章問題は、算数や数学というよりも国語力の問題があります。よって、塾で国語を選択してみるのもひとつの手だと思います。国語力は一朝一夕には付きませんし、年齢が上がらないと難しい点もあります。しかし、放置しても良くはないので、たくさんの文章に触れて言葉の意味をしっかり理解できるように習うことをおすすめします。
生徒によっては、「僕たちは日本人なんだから国語なんてやる必要はない」と言い張ります。ですから、塾では国語はあまり優先されず、小学生なら国語より算数を勧められるかもしれません。塾としても、成績が伸びたことがわかりやすいのが算数ですからね。しかし、公文やそろばんをやっているのであれば、塾では国語を取り、文章問題の対策をした方が合理的です。
中学受験に公文とそろばんは有利?
公文もそろばんも、一般的には小学生の習い事なので中学受験を考える方も多いでしょう。しかし、残念ながら公文もそろばんも、両方中学受験に直接的に有利になるとは言えません。なぜなら、中学受験の算数で問われるのは計算力というより思考力だからです。
もちろん、中学受験にも計算問題は出題されます。基本的な計算力があるかどうか、計算ミスをしない正確さを持ち合わせているかを確認するためです。しかし、その後にあるのは文書問題や図形問題など、計算力とは別の脳の領域を使うものです。よって、計算力に特化した公文やそろばんだけでは太刀打ちできません。
前出したように、計算問題をササっと解いて、余った時間を他の問題に割くことはできるので、まったく役に立たないとは言えません。公文もそろばんも、計算問題で点数を確実に稼ぐためにはやっておいて損はないでしょう。算数に自信がない子や、苦手意識がある子に自信をつけさせるという目的でも意味はあります。
もし中学受験を視野に入れるのであれば、小学校低学年から中学年くらいまで公文かそろばんどちらかをさせ、途中で中学受験専門の学習塾に入塾するのがおすすめのパターンです。中学受験に特化させるのであれば、どちらかというとそろばんの方がおすすめです。
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計算力をある程度鍛えた後、具体的に中学受験で出題される問題を解いて先生につけば、思考力も徐々に培われてきます。小学校低学年から学習塾一本でも間違いではありませんが、思考力は子どもの年齢に応じて上がっていくものであり、計算のようにどんどん次のレベルに行けるものではありません。よって、ある程度年齢が上がってから取り組むことをおすすめします。
塾選びの際の注意点としては、中学受験に対応しているかどうかを見極めることです。一般的な塾であれば、私立中学の過去問を持っていなかったり、指導できる先生がいなかったりします。本気で中学受験を目指すのであれば、少々高くても中学受験専門の塾を探しましょう。場合によっては家の近くになくて通えないこともあるので、オンライン授業が可能な塾から探すのもアリです。
予算に余裕があるなら、塾ではなく家庭教師という手もあります。これなら通塾の必要がありませんし、中学受験に強い先生に来てもらえたなら親も家での学習方法について学べます。
公文かそろばんか、選ぶなら目的に応じた方を選択しよう!
公文もそろばんも、計算力をアップさせるには絶好の方法です。しかし、公文は学校の計算問題のみを先取りすることになるため、学校のテストの点数を上げたり、学校と同じ計算の仕方を学ぶことに特化しています。
対してそろばんは、学校で学ぶ筆算ではなく、暗算力を鍛えるために学ぶことが目的で、社会人になっても使えるスキルを培うことに特化しています。どちらも計算力は上がりますが、選ぶなら、目的に応じた方を選択するようにしましょう。
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さいごに1つだけ、自宅で出来るライバルの一歩先をいく中学受験準備情報をお伝えします。
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